代表近詠
胴震ひ
加藤峰子
山茶花の熱を孕みて散り敷きぬ
冬空の日矢降り注ぐ池の鯉
雪吊やあまたの縄の乾き癖
満天星の真紅の冬芽天を突く
寒晴やペンキ汚れの鳶職の肩
郁子の葉のしたたかな照り十二月
ぬか雨や塩をなじませ鰤寝かす
寒暁や胴震ひする脱水機
付箋紙の立ちたる句集花八手
両腕に接種無敵の十二月
名誉代表近詠
子機親機
橋道子
新しき眼鏡にさぐる冬の森
ピラカンサ名残の紅のすさまじや
長眠るバッグの底の予備マスク
あれよあれよ子らのすすめる煤払
初電話受けむと磨く子機親機
なによりも膾の好きな春着の子
夫留守の新年会のほのと暮る
当月集より
寒麦集より
羽音抄